大学教授のモラハラ夫とたった1か月間で熟年離婚を成立させた事例

弁護士法人デイライト法律事務所 代表弁護士保有資格 / 弁護士・税理士・MBA

ご相談者Fさん (福岡県太宰府市)
50代女性
職業:専業主婦
世帯年収:1300万円
婚姻期間:25年
解決までの期間:1カ月
解決方法:協議離婚
子どもあり (長男(成人))
離婚を切り出した

相手:大学教授

※実際の事例を題材としておりますが、事件の特定ができないようにイニシャル及び内容を編集しております。
なお、あくまで参考例であり、事案によって解決内容は異なります。

依頼前 依頼後 利益
離婚 ×不成立 ○成立
財産分与 0円 7000万円 7000万円
年金分割 × 50% 50%

 

状況

Fさんは、25年前に夫と結婚しました。

子どもは長男がいますが、長男は成人して就職し、結婚しています。

夫は、Fさんに対して、日常的にモラハラを繰り返してきました。

例えば、夫は、Fさんと口論になった際、すぐに「離婚だ!」などと言い放っていました。

また、Fさんのお母さんが入院し、Fさんがお見舞いに行こうとしたとき、夫は行かせてあげませんでした。

このようなことから、Fさんは悩み苦しみ、6年程前から心療内科に通院するようになりました。

子どもも成人して独立したことから、Fさんは、離婚を模索していました。

Fさんは、どうしたらよいかわからず、市役所の無料法律相談に行きましたが、そこで対応した弁護士からは、離婚原因がないなどと説明され、離婚できないと諦めかけていました。

そんなある日、友人に相談したところ、当事務所のことを聞き、ご相談に来られました。

【財産の状況】

Fさん名義

預貯金100万円、負債なし。

夫名義

預貯金1億2000万円 、保険2000万円、負債なし。

 

弁護士の関わり

Fさんは、夫から支配されており、夫への恐怖心から逃れられないと思い込んでいました。

そこで、まず、弁護士は、Fさんに対して、離婚の見込みが十分あること、また、万一離婚が成立しなくても、別居することで、今後、支配から逃れ、安心して生活できること等を説明し、安心してもらいました。

そして、Fさんに離婚に前向きになってもらい、夫との別居方法について、アドバイスをしました。

Fさんは、約1か月後に実家のある東京に帰ることになりました。

弁護士は、Fさんの別居日に合わせて、夫に協議離婚の申入れを書面で行いました。

そして、夫に対して、Fさんとの直接の接触を禁止しました。

夫は、離婚については、比較的素直に応じましたが、財産分与や年金分割について、異論を唱え、応じませんでした。

これに対して、弁護士は、財産分与等について、Fさんが正当な権利を有すること等を説明しました。そして、何日も粘り強く説得しました。

その結果、夫は、財産分与7000万円、年金分割50%に応じることになり、合意書を締結し、無事解決できました。

 

補足

【離婚】

離婚について、法律上の離婚原因がないと、仮に裁判となった場合、裁判所は離婚判決を出してくれません。

そのため、無料相談などで、離婚事件にくわしくない弁護士にあたると、「離婚は難しい。」などの回答される場合があります。

しかし、法律上の離婚原因がなくても、交渉によって離婚が成立する可能性は十分あります。

むしろ、当事務所では、離婚が成立しないことの方がめずらしいです。

諦めずに、離婚に精通した弁護士へ相談することが重要です。

 

【財産分与】

財産分与の対象が高額な場合、夫側が素直に応じてくれないことが多くあります。

今回のケースでは、対象財産が1億4000万円にも上っており、夫は、当初、応じてくれませんでした。

夫側としては、「財産を形成できたのは、大学教授である自分の力であり、妻は何もしていない。」などと反論してきました。

しかし、Fさんは、家事や子育てに一生懸命に尽くしてきました。

その努力があったからこそ、夫は仕事に専念し、財産を築くことができたのです。

本件では、そのようなFさんの努力を主張し、夫の説得に成功することができました。

 

【年金分割】

特に、熟年離婚において、年金分割は重要です。

分割後の妻の受給できる年金が大幅に増えるため、今後の生活の安定を考えると、年金分割は必ず行うべきです。

ただ、夫側が年金分割に反発することは多々あります。

特に、夫がモラハラタイプの場合、妻だけの交渉で応じてもらうことは難しいといえます。

このような場合でも、弁護士が代理人となって交渉することで、年金分割を成功させる可能性が高くなります。

年金分割でお悩みの方はお気軽にご相談ください。

 

関連記事:

別居サポートプラン

モラハラとは?

モラハラの証拠の集め方