経済的虐待や親族への嫌がらせを繰り返す妻との離婚の事例

弁護士法人デイライト法律事務所 代表弁護士保有資格 / 弁護士・税理士・MBA

ご相談者Sさん (久留米市)
50代男性
職業:会社員
世帯年収:1500万円
婚姻期間:4年
解決までの期間:2年
解決方法:調停離婚
子どもあり (成人済)
離婚を切り出した

相手:40代自営業

※実際の事例を題材としておりますが、事件の特定ができないようにイニシャル及び内容を編集しております。
なお、あくまで参考例であり、事案によって解決内容は異なります。

サポート無 サポート有 増額利益
離婚 不成立 成立
婚姻費用 月額12万円 月額8万円 月額4万円

 

状況

Sさんは、4年ほど前に結婚しました。

Sさんもその妻も再婚同士で、それぞれ1人ずつ子がいました。

それぞれの子どもは既に成人しています。

しかし結婚生活が始まって間もなく頃、Sさんの給与口座を妻が管理するようになり、妻はSさんに対して毎月1万円しか生活費を渡さなかったため、Sさんは昼食を抜くような生活を強いられるなど、経済的な虐待といえる仕打ちを受けていました。

また、妻はSさんの連れ子に嫌がらせをしたり、自分の子にだけお金を費やしたりと、あまりに理不尽な差別扱いをしていました。

さらに、妻はSさんの両親にも様々な嫌がらせをしていました。

これに耐えかねたSさんは、別居をして離婚を決意し、弁護士に相談することにしました。

 

弁護士の関わり

Sさんが弁護士に本件について依頼後、妻にも弁護士がつきました。

相手方は、当初修復を希望し、離婚には応じられない旨を示すとともに、婚姻費用分担請求の調停を申し立ててきました。

そのため、弁護士は、それに対応する形で離婚調停を申し立てました。

相手方が依然として離婚には応じなかったため、調停は不成立に終わりました。

その約1年後、弁護士は離婚の訴訟を提起しました。

訴訟では、妻の経済的虐待や、親族への嫌がらせを証拠を使って可能な限り証明していきました。

そうすると、裁判官もこちらの主張から、今後修復の可能性が著しく低いと判断して和解を積極的に提案してくれたことから、訴訟上の和解で解決する事ができました。

 

補足

離婚訴訟において、裁判所が離婚を認めるのは、民法所定の離婚原因がある場合です。

離婚原因について、くわしくはこちらをごらんください。

 

経済的な虐待は、離婚原因のうち、「悪意の遺棄」(民法770条1項2号)に該当すると考えられ、親族への嫌がらせは「その他婚姻を継続し難い重大な事由」(同項5号)に該当すると考えられるため、離婚が認められる可能性があります。

もっとも裁判では、裁判官にこれらの事実が本当にあったということを証明していかなければなりません。

本件では、経済的虐待については通帳から、親族への嫌がらせについては写真や録音テープなどを使って証明していきました。

これらの証拠があったからこそ、Sさん主張の事実を前提としたうえで、和解の提案をしてもらえたものと考えられます。

最終的には、妻が引っ越すための費用としてわずか数十万円の解決金を支払ったのみで離婚をすることができました。

この事例の婚姻費用に関する説明は、こちらをごらんください。