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DVを根拠に慰謝料が認定される場合、どのような要素が考慮されるのでしょうか?
暴力の程度や結果はもちろん、婚姻期間や相手方の収入も考慮されます。
この問題について、弁護士が解説します。
DVが離婚原因となり、離婚に至った場合、離婚慰謝料が認められます。その際に、判決となった場合、慰謝料は、100万円から300万円程度の認定がなされることが多いです。
例えば、神戸地方裁判所は、平成6年2月22日の判決において、夫婦げんかが絶えず、最後には妻の寝室に入って殴る、蹴るなどの顔面の骨折3箇所の入院・手術を要する傷害を負わせた事案で、夫に慰謝料200万円の支払いを命じました。このように、暴力の結果の程度が、骨折3箇所で入院、手術が必要だったという事案でも、慰謝料は、200万円にとどまっています。
もっとも、後遺障害が残るような暴力については、別の考慮がなされます。東京高裁は、平成10年2月26日の判決において、夫の度重なる暴力により、妻が、右鎖骨骨折、腰椎椎間板ヘルニアの傷害を負い運動障害の後遺障害が残った事案で、離婚による慰謝料350万円のほか、入通院慰謝料、後遺障害慰謝料、逸失利益を含め、1714万円の損害賠償請求を認めました。
どのような要素が考慮されて、慰謝料の認定がなされる?
では、どのような要素が考慮されて、慰謝料の認定がなされるのでしょうか。
慰謝料の認定で、裁判所が考慮する要素が分かれば、どのような証拠を集めれば有効かみえてきます。今回は、この観点から、離婚慰謝料の考慮要素を整理してみしたいと思います。
要素について、いろいろな分け方があると思いますが、ここでは、①離婚の原因に関わる事情、②慰謝料を請求する人に関わる事情、③慰謝料を請求される人に関わる事情、④双方に関わる事情を詳しく挙げてみようと思うので、参考になさってください。
①離婚の原因に関わる事情
・離婚原因となった暴力の態様及び程度、頻度
・結果の程度(例えば、自殺未遂を行った、鬱病を罹患した等)
②慰謝料を請求する人に関わる事情
・年齢
・職業
・資産負債
・収入
・初婚か再婚か
・再婚可能性
・自活能力
③慰謝料を請求される人に関わる事情
・年齢
・職業
・資産負債
・収入
・婚姻中の配偶者に対する贈与
・生活費不払いの有無
④双方に関わる事情
・婚姻に至る経緯
・婚姻期間
・別居期間
・婚姻生活中の態度
・婚姻生活の実情
・子どもの年齢及び数
・親権者及び監護権者
・その他の家族関係
このように、暴力を原因として婚姻関係が破綻した場合の慰謝料としては、上記のように様々な事情が考慮されます。
慰謝料の具体的な考慮要素は、個別具体的に判断が必要ですので、離婚問題に詳しい弁護士にご相談ください。

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