暴力夫に住所を知られない方法はありますか?

事例

焦る女性のイメージイラスト別居後の住所を夫に知られたくないのですが、どのようなことに注意すべきでしょうか。

指をさす男性のイラスト別居後の住所を暴力夫に知られないためには、いくつか注意すべきポイントがあるので、ポイントごとに解説します。

1 住民票

住民票のイメージイラスト転居に際し、住民票を移したのであれば、まずは住民票の閲覧交付を制限する措置をとるべきです。

DV被害者の住民票については、被害者の申出があれば、役所は、その被害者の住民票や戸籍の附票の閲覧や謄写に関して、加害者及びその代理人からの請求を受け付けないことが義務付けられています。

この措置の期間は、原則として申出から1年間で、延長が必要であれば、期間終了の前に延長の申出を行います。

しかし、弁護士からの請求であれば、住民票の入手が可能なので、情報が漏れてしまうリスクはあり、万全とは言いがたいのが実情です。

住民票を移動しなければ生活上、不便な場面があるもの事実ですが、暴力夫に避難先が判明してしまい、取り返しのつかないことになることは絶対に避けなければなりません。

したがって、当面、住民票を移動させないという選択肢も視野に入れるべきです。

 

2 学校

学校のイメージイラストDV被害者と一緒に避難している子どもは、住民票の移動がなくとも、実際に住んでいる市町村の公立学校に通学できます。

教育委員会は、配偶者暴力相談支援センターと連携をとりながら、情報を管理し、子どもの就学の機会を確保することになっています。

転居前の学校と転居後の学校に、事情を説明し、暴力夫に情報が漏れないよう、情報管理の徹底を要請すべきです。

 

3 警察

警察官のイメージイラスト避難前に、警察にDV被害にあっていることを相談し、捜索願を受理しないなどの対応をお願いしておくことが大切です。これは、DV防止法に基づく、正当なお願いですので、確実に行っておきましょう(同法8条の2)。

 

4 裁判所への提出書面

裁判のイメージイラスト裁判所への提出書面について、代理人弁護士から、「診断書、写真、通知票、年金分割の情報通知書などを証拠として出すから、持参してほしい」と頼まれ、代理人弁護士を通じて、それらを証拠として、裁判所に提出することがあります。

これらの書類を代理人に渡す際は、DV加害者側に知られると困る情報が載っていないかを念のため、確認しておきましょう。以下のような情報が載っている場合には、その旨を、代理人弁護士に伝えておくと安心です。なお、裁判所は、情報をマスキングしたものであっても、問題なく受け付けてくれます。

 

診断書の場合

避難先住所(居所)
病院名とその所在地

写真の場合

背景(特徴的な建物や看板が写っていないか)

通知票の場合

学校名
担任名
校長名
校章

年金分割の情報通知書の場合

発行元の年金事務所(避難先
避難先住所
このように、暴力夫に、避難先を知られないためには、いくつかの注意点があります。もっとも、各注意点のうち、特にどこに気を配るべきかは事案ごとに異なります。より詳しく知りたい方は、DV問題に精通した弁護士にご相談ください。

 

 

 


その他、DVに関するよくあるご相談