婚姻費用を適正な額に増額し、夫との協議離婚を成立させた事例

弁護士法人デイライト法律事務所 代表弁護士保有資格 / 弁護士・税理士・MBA

ご相談者Wさん (大分県佐伯市)
20代女性
職業:会社員
世帯年収:600万円
婚姻期間:5年
解決までの期間:1年
解決方法:協議離婚
子どもあり (男の子2人)
離婚を切り出した

相手:30代会社員

※実際の事例を題材としておりますが、事件の特定ができないようにイニシャル及び内容を編集しております。
なお、あくまで参考例であり、事案によって解決内容は異なります。

サポート無 サポート有 増額利益
離婚 不成立 成立
婚姻費用 10万円 12万円 2万円
養育費 相当額 月額9万円 月額9万円

 

状況

Wさんは、約5年前に婚姻し、その後長男・二男が誕生しました。

Wさんは、夫から度々暴言を受けていました。

その内容は、威圧的・侮辱的なものでした。

そのため、Wさんは夫の言動に耐えかねて、何度も実家に帰ることが続いていました。

また、子ども達の前でもこうした言動があったため、子どもが精神的ストレスからチック症になるなど、大きな影響が出ていました。

Wさんはこうした状況が続いたため、限界になりました。そして、子ども達を連れて実家に帰って別居を開始しました。

しばらくして、子ども達の様子も変わって、ようやく平穏な暮らしが始まっていました。

Wさんは夫との離婚を考えていましたが、これまで受けてきた暴言や仕打ちによる恐怖心から、どうしても夫と離婚に関する話をすることができませんでした。

そのため、Wさんは弁護士を代理人として就けましたが、うまくコミュニケーションが取れていませんでした。

そこで、Wさんは今後のことについて相談するため、当事務所にご相談に来られました。

 

 

弁護士の関わり

Wさんは、現在の弁護士のまま業務を継続することに、大きな不安を覚えていました。

とはいえ、自分で離婚協議を進めることは到底できない状況でした。

そこで、弁護士はこうした点をふまえながら、Wさんに今後の進め方について一通り説明し、検討してもらうことにしました。

その後、Wさんは前代理人との関係を解消しました。

弁護士は、先方に内容証明を送って離婚協議を開始しました。

生活費(婚姻費用)については、一旦10万円で合意していたため、相手方から毎月10万円が振り込まれている状況でしたが、もっとも多くの金銭が獲得できる可能性がありました。

また、Wさんは別居していたこともあって、特に離婚を急いでいる状況ではありませんでした。

そのため、弁護士は、婚姻費用をできる限り多く、またできる限り長い期間もらえるように婚姻費用に比重を置いた交渉をする方針で進めていきました。

その後、婚姻費用について調停を申し立てました。

婚姻費用分担調停において、月額の婚姻費用を12万円とすること、及びこれまでの未払い分について支払う内容での調停が成立しました。

その後、離婚についての協議を再開し、協議離婚を成立させました。

 

 

補足

本件は、当初暫定的に取り決めをしていた内容よりも、より多くの婚姻費用が獲得できる可能性のある事案でした。

婚姻費用は、一方配偶者が他方配偶者に対して支払うもので、離婚が成立するまでもらえる金銭です。

こうした場合、離婚協議を進める1つの戦略として、場合によっては婚姻費用をできるだけ多く、かつ長期間にわたってもらい続けるということがあります。

それによって、生活がより安定し、離婚協議に向けた土台作りができるようになります。

離婚協議の進め方は様々です。

このWさんの事例のように、婚姻費用をできる限り長くもらい続けた上で、協議離婚を成立させるという選択もあります。

別居中であるものの配偶者から生活費が十分にもらえていない、離婚を考えているがどのように進めてよいか分からないという方は、是非ご相談ください。

 

この事例の離婚に関する説明は、こちらをごらんください。

この事例の養育費に関する説明は、こちらをごらんください。